[7272]ヤマハ発動機をパティシエが分析!二輪車世界2位・船外機世界首位・4%超高配当で2026年業績復活に注目のグローバルメーカー株[2026/4/17]

パティシエが分析するヤマハ電動機7272の株価チャートと業績分析のイメージ 物色!個別銘柄

知人から教えてもらった銘柄

高配当株投資の業績分析をしていると、ちょっとした知り合いができたりします。その方に教えてもらったのがこの銘柄。2024年の株式分割の前の話だったので、当時はまだ株価が高く3000円を超えていたと思います。なので手出しをしなかったのですが、株式分割の後は、とても手を出しやすい価格帯。しかも4.83%と言う配当利回りはずいぶんと魅力的に映ります。

どんな会社???

ヤマハ発動機(7272)は1955年に楽器メーカーのヤマハから独立して設立された、二輪車・船外機を主軸とするグローバルモビリティ企業です。二輪車の世界シェアは第2位(ホンダに次ぐ)船外機は世界首位を誇る、コアな製品で圧倒的な地位を築いています。東証プライム上場、輸送用機器セクター。

事業は5セグメント。①ランドモビリティ(二輪車・電動アシスト自転車)②マリン(船外機・ウォータービークル)③アウトドアランドビークル=OLV(四輪バギー・ゴルフカー)④ロボティクス(産業用ロボット・表面実装機)⑤金融サービス。東南アジアと北米が主要市場です。

2025年12月期は繰り延べ税金資産の取り崩し(約325億円の税費用増) と米国追加関税によるコスト増・OLV事業の固定資産減損が重なり、純利益が前期比85%減の161億円という衝撃的な結果になりました。ただし繰り延べ税金資産の取り崩しは一時的な会計処理が主因であり、2026年12月期は純利益1,000億円への回復を見込んでいます。


時価総額

約1兆1,500億円(2026年4月時点)

国内輸送用機器メーカーとしては中型規模の位置づけです。ホンダ(約5兆円)やスズキ(約2兆円)には及びませんが、船外機世界首位という唯一無二のポジションを持つ実力企業です。PBR1倍割れ水準での推移が続いており、バリュー投資家からの注目度も高い銘柄です。


株価・配当金・セクター

項目内容
株価1,141.5円(2026年4月17日時点)
配当金(予想)50円(2026年12月期)
セクター輸送用機器(東証プライム)

配当利回り・配当支払い月

項目内容
予想配当利回り約4.38%(2026年12月期予想ベース)
配当支払い月6月(期末)・12月(中間)

4.38%は輸送用機器セクターの中でも高い水準で、高配当銘柄として注目できます。ただし注意点として、2025年12月期は業績悪化により35円に減配しており、2026年の50円は「実質的な復配」にあたります。米国関税リスクが引き続き存在するため、業績回復が想定通り進むかどうかを見極める必要があります。


売上推移

年度売上収益前年比
2021年12月1兆8,124億円
2022年12月2兆2,484億円+24.1%
2023年12月2兆4,147億円+7.4%
2024年12月2兆5,761億円+6.7%
2025年12月2兆5,342億円-1.6%
2026年12月(予)2兆7,000億円+6.5%

コロナ禍後の2021年から急回復し、2022〜2024年と順調に拡大してきました。2025年12月期はベトナムでの生産・出荷停止や北米でのマリン・OLV販売減少が響き初の前年比減収となりましたが、2026年12月期は再び増収を見込んでいます。


利益推移

年度営業利益当期純利益前年比(純利益)
2021年12月1,823億円1,556億円
2022年12月2,249億円1,744億円+12.1%
2023年12月2,439億円1,584億円-9.2%
2024年12月1,815億円1,081億円-31.8%
2025年12月1,264億円161億円-85.1% ← 繰延税金取り崩し
2026年12月(予)1,800億円1,000億円+521.1%

2025年12月期の純利益急減(161億円)は繰り延べ税金資産の取り崩し(約325億円の税費用増)が主因です。営業利益は1,264億円と大幅減ではあるものの黒字を維持しており、純利益ほどの深刻な落ち込みではありません。2026年12月期は営業利益・純利益ともに大幅回復を見込んでいます。


EPS(1株当たり純利益)

※2024年1月1日 株式分割(1株→3株)実施。以下は全て分割後ベース換算。

年度EPS
2021年12月148.56円
2022年12月170.49円
2023年12月157.89円
2024年12月110.12円
2025年12月16.59円 ← 一時的急落
2026年12月(予)103.05円

2025年の配当35円に対しEPSが16.59円と、配当性向が200%を超える極めて危険な状態でした。ただしこれは繰り延べ税金資産取り崩しという一時的会計処理が原因です。2026年予想EPS103.05円に対して配当50円(配当性向約48.5%)と正常な水準に戻る見込みで、持続性の観点では問題ない水準です。


ROE(自己資本当期純利益率)

年度ROE
2023年12月約14.7%
2024年12月約9.3%
2025年12月1.42% ← 一時的急落
2026年12月(予)8.83%

製造業の平均ROEが概ね8〜10%程度と言われる中、2023年の14.7%は非常に優秀な水準でした。2025年はEPS急落に伴いROEも1.42%まで低下しましたが、これは一時的要因です。2026年予想の8.83%は業種平均並みの回復で、成長路線に戻れるかが今後の焦点です。


PER & PBR

指標数値
PER11.08倍(2026年12月期予想ベース)
PBR0.98倍(実績ベース)

PER11倍台は製造業として標準的な水準で、割高感はありません。注目すべきはPBR0.98倍と、純資産価値を下回る「PBR1倍割れ」の状態にあること。理論上は解散価値以下で買えるバリュー銘柄といえます。業績回復が順調に進めばPBRの改善余地は十分ありますが、米国関税リスクや業績の不透明感が解消しない限り株価の大きな上昇は見込みにくい点にも注意が必要です。


総資産 & 純資産

年度総資産純資産
2022年12月2兆1,814億円9,641億円
2023年12月2兆5,635億円1兆757億円
2024年12月2兆7,835億円1兆1,615億円

総資産・純資産ともに着実に拡大してきました。2025年12月期は繰り延べ税金資産の取り崩しにより純資産が一部毀損している点に注意が必要です。海外展開に伴う為替換算資産の変動も総資産に影響します。


自己資本比率

年度自己資本比率
2022年12月44.2%
2023年12月42.0%
2024年12月41.7%

40%超の自己資本比率は製造業として安定した財務水準です。近年は積極的な海外展開・設備投資によりやや低下傾向にありますが、財務健全性は維持されています。2025年12月期は純資産の毀損により若干低下している可能性があります。


有利子負債

ヤマハ発動機は製造業であり、有利子負債の分析は適用されます。自己資本比率が40%超と比較的高い水準を維持していることから、財務レバレッジは過度ではないと判断されます。ただし海外生産拠点への投資拡大や販売金融事業の拡大に伴い、借入金は増加傾向にあります。具体的な有利子負債倍率については最新の決算短信での確認をお勧めします。


1株配当の推移

※2024年1月1日 株式分割(1株→3株)実施。2023年12月期以前は分割後ベースに換算した数値。

年度中間期末合計
2018年12月15.0円15.0円30.0円
2019年12月15.0円15.0円30.0円
2020年12月0円20.0円20.0円
2021年12月16.7円21.7円38.3円
2022年12月19.2円22.5円41.7円
2023年12月24.2円24.2円48.3円
2024年12月25.0円25.0円50.0円
2025年12月25.0円10.0円35.0円
2026年12月(予)25.0円25.0円50.0円

コロナ禍の2020年に中間配当をゼロにした以外は基本的に増配傾向を維持してきました。2025年12月期は業績悪化を受け期末配当が10円に減額(通常比15円減)となりましたが、2026年は50円への復配を予定しています。


配当利回りの推移

※2023年12月期以前は分割後換算の配当額と各年度末の推定株価をもとに算出(概算)

年度1株配当配当利回り(概算)
2018年12月30.0円約2.7%
2019年12月30.0円約2.8%
2020年12月20.0円約1.7%
2021年12月38.3円約2.7%
2022年12月41.7円約4.2%
2023年12月48.3円約3.6%
2024年12月50.0円約3.6%
2025年12月35.0円約3.2%
2026年12月(予)50.0円4.38%

2022年は株式市場全体の低迷で株価が下落し、利回りが4%超となる場面もありました。2024年以降は株価の低迷と高配当が重なり、4%台の高利回りが定着しつつあります。業績回復が進めば株価上昇と増配の両取りが期待できます。


配当性向

年度EPS1株配当配当性向
2021年12月148.56円38.3円25.8%
2022年12月170.49円41.7円24.5%
2023年12月157.89円48.3円30.6%
2024年12月110.12円50.0円45.4%
2025年12月16.59円35.0円210.9% ← 一時的
2026年12月(予)103.05円50.0円48.5%

2021〜2023年は配当性向25〜31%と非常に余裕のある配当政策でした。2025年の配当性向210%超は繰り延べ税金資産取り崩しによる一時的なものであり、構造的な問題ではありません。2026年予想では48.5%と適正水準に戻る見込みです。業績が回復軌道に乗れば配当の持続性・増配余地は十分あると評価できます。


自社株買い

年度取得金額(概算)
2021年約110億円
2022年約200億円
2023年約300億円
2024年約200億円
2025年約100億円

2021年から毎年実施しており、2023年は300億円と規模が拡大しました。ただし2024年・2025年は業績悪化を受けて縮小傾向にあります。配当と合わせた株主還元は継続していますが、自社株買いの規模は「積極的」とは言いにくく、業績回復後の拡大に期待したい水準です。


まとめ

時価総額も大きく日本を代表するようなよく聞く「ヤマハ電動機」。とは言え、リーマンショックの前には、今と同等程度の株価であった頃も。そこからかなり長いスパンで上がったり下がったり。今の水準が割安だったとしても、大きく株価を上げる要素は少ないように思うので、今のところ購入の機会は無いと思います。ただこれから先「高配当株投資」を純粋に施行する時期が来れば、この利回りはかなりうれしい利回りなのでもう少し先に購入を考えたいと思います。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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