好決算なのに!
4月28日決算が11時に発表。その直後株価は急降下。株価チャートを見る限り、ここが底に感じる。自動車のセクターに大きく依存するので、長期チャートを見ると大きくうねりを感じる。大きな株価成長は見込めないが、手堅い高配当株の一角として。
どんな会社?
デンソー(6902)は、愛知県刈谷市に本社を置く自動車部品メーカーです。トヨタグループの中核を担う存在で、売上収益(IFRS基準)は7.5兆円を超え、自動車部品メーカーとして世界最大規模の一角に位置します。電装品・パワートレイン・熱制御システムなど幅広い製品を展開し、35カ国以上でビジネスを展開するグローバル企業です。
財務面ではIFRS(国際財務報告基準)を採用しており、「経常利益」の開示はなく「営業利益」が主要指標です。自己資本比率は62.9%と安定しており、連続増配を続ける株主還元姿勢も評価されています。一方、EV化・電動化シフトへの対応投資が本格化しており、2027年3月期の業績は減益の見通し。中長期的な成長と株主還元の両立が問われる局面です。
時価総額
約5兆5,200億円(2026年4月時点・参考値)
国内自動車部品セクターでトップクラス、東証プライム市場でも有数の大型株です。機関投資家の保有比率が高く、トヨタグループへの安定的なサプライヤーとして市場での信頼は厚い。個人投資家にとっては「大型・高配当・連続増配」の三拍子が揃う銘柄ですが、株価は直近で低迷気味であり、EV化リスクが意識されています。
株価・配当金・セクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価(参考) | 1,895.5円 |
| 年間配当金(2027年3月期予想) | 74円 |
| 配当利回り(予想) | 約3.90% |
| セクター | 輸送用機器(自動車部品) |
| 決算期 | 3月期 |
| 証券コード | 6902(東証プライム) |
配当利回り・配当支払い月
配当利回りは約3.90%(2027年3月期予想ベース、参考株価1,895.5円)。高配当株として十分に魅力的な水準です。連続増配を続けており、株主還元姿勢は評価できます。
ただし、自動車部品という景気敏感業種であり、EV化への対応コスト増加が続く局面では業績変動リスクも考慮する必要があります。
配当支払い月:6月・12月
売上推移
※IFRSのため「売上収益」として表示
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年(予) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 53,768 | 62,038 | 67,617 | 70,945 | 75,424 | 76,700 |
2022年以降5期連続の増収で、2026年3月期は7.5兆円超えを達成しました。ただし2027年3月期の予想は76,700億円(前期比+1.7%)と伸びが鈍化する見通し。トランプ関税の影響や自動車生産台数の不透明感が背景にあります。世界的な電動化需要の取り込みが今後の成長の鍵を握ります。
利益推移
※IFRSのため「経常利益」の代わりに「営業利益」を表示
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年(予) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 営業利益(億円) | 2,800 | 3,500 | 4,800 | 5,000 | 5,525 | 5,000 |
| 純利益(億円) | 3,200 | 3,980 | 4,020 | 3,800 | 4,438 | 3,820 |
2026年3月期の営業利益は5,525億円と過去最高水準を達成しました。しかし2027年3月期の予想は5,000億円(前期比−9.5%)と大幅な減益見通し。関税影響や電動化投資の拡大が収益を圧迫する見込みです。純利益も3,820億円(前期比−13.9%)と厳しい予想となっており、来期の業績動向には注意が必要です。
EPS(1株当たり利益)
※2023年10月に1:4の株式分割を実施。以下の数値はすべて分割後ベースに調整済。
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年(予) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EPS(円) | 121.4 | 150.9 | 147.5 | 140.5 | 163.0 | 147.0 |
2026年3月期のEPSは163円と高水準を達成しましたが、2027年3月期は147円程度に低下する見込みです。配当との関係では、予想配当74円に対してEPS約147円であれば配当性向は約50.4%となり、会社の目標方針(連結配当性向50%以上)にほぼ沿う水準です。ただし利益が落ち込む中での配当維持・増配路線には注意が必要です。
ROE(自己資本利益率)
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年(予) | |
|---|---|---|---|---|
| ROE(%) | 7.8 | 7.0 | 8.1 | 6.6 |
自動車部品メーカーの業種平均は8〜10%程度とされており、デンソーの8.1%(2026年3月期)はほぼ平均並みの水準です。2027年3月期は利益減少の影響で6.6%程度に低下する見込みであり、資本効率の改善が課題と言えます。PBR1倍割れの状況を改善するためにも、収益力の向上が求められます。
PER & PBR
PER:約13.4倍
PBR:約0.93倍(1倍割れ)
PERは自動車部品セクターとして標準的な水準です。PBRが1倍を下回っている点は「割安感」として映ることもありますが、EV化対応の不確実性や来期の減益見通しが市場評価を下押ししている側面があります。株主還元強化(連続増配+自社株買い)により、どう市場の評価を改善するかがデンソーの課題の一つです。
総資産 & 純資産
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 80,200 | 83,500 | 87,100 |
| 純資産(億円) | 50,100 | 52,300 | 54,800 |
3期連続で総資産・純資産ともに拡大しています。内部留保の蓄積が進んでおり、財務基盤は非常に安定しています。EV化対応の大型設備投資が続く中でも、潤沢な純資産が下支えとなっています。
自己資本比率
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率(%) | 62.5 | 62.6 | 62.9 |
60%超と財務健全性は非常に高い水準です。製造業として設備投資が多い業種でありながら、この比率を安定的に維持できている点は高く評価できます。有利子負債の管理も適切で、財務リスクは低いと言えます。
有利子負債
2026年3月期末の有利子負債は約8,113億円。
売上収益7.5兆円に対する有利子負債比率は約10.8%と過大な水準ではありません。D/Eレシオ(有利子負債÷純資産)は約0.15倍と健全です。ただし今後、EV対応投資(バッテリー・インバーター・モーターなど)の拡大に伴い借入が増加する可能性があります。財務的な余裕は十分あるものの、投資負担の増大には注視が必要です。
1株配当推移
※2023年10月に1:4の株式分割を実施。以下の数値はすべて分割後ベースに遡及調整済みです。
| 中間配当(円) | 期末配当(円) | 合計(円) | |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 13.25 | 18.50 | 31.75 |
| 2021年 | 15.0 | 20.0 | 35.0 ← 増配 |
| 2022年 | 17.5 | 23.5 | 41.0 ← 増配 |
| 2023年 | 20.0 | 26.0 | 46.0 ← 増配 |
| 2024年 | 23.75 | 31.25 | 55.0 ← 増配(分割実施) |
| 2025年 | 29.0 | 35.0 | 64.0 ← 増配 |
| 2026年 | 32.0 | 35.0 | 67.0 ← 増配 |
| 2027年(予) | 37.0 | 37.0 | 74.0 ← 増配予想 |
2021年以降、2027年予想まで7期連続の増配を継続中です。2023年10月の1:4株式分割後も増配路線は維持されており、配当還元への姿勢は明確です。来期(2027年3月期)も74円と増配予想ですが、業績は減益見通しのため配当性向の上昇には注意が必要です。
配当利回りの推移
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 配当利回り(%) | 2.1 | 2.4 | 2.9 | 3.1 | 3.2 | 3.6 | 3.9 |
配当利回りは増配と株価の軟調さから年々上昇傾向にあります。2026年3月期末時点では約3.9%と、大型優良株としては高配当に近い水準に達しました。今後も増配が続く場合、配当利回りのさらなる上昇が期待できますが、株価の回復が伴えば利回りは低下する点も考慮に入れておきましょう。
配当性向
| 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年(予) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1株配当(円) | 46.0 | 55.0 | 64.0 | 67.0 | 74.0 |
| EPS(円) | 150.9 | 147.5 | 140.5 | 163.0 | 147.0 |
| 配当性向(%) | 30.5 | 37.3 | 45.6 | 41.1 | 50.3 |
配当性向は年々上昇しており、2027年3月期予想では50.3%に達します。デンソーは「連結配当性向50%以上」を目標として掲げており、この水準は方針に沿ったものとも言えます。ただし、利益が減益局面に入るなか、増配を続けるために配当性向がさらに高まる可能性があります。EPS改善が伴わない増配の継続には持続性の観点から注意が必要です。
自社株買い
| 年度 | 自社株買い規模 |
|---|---|
| 2024年 | 約500億円 |
| 2025年 | 約700億円 |
| 2026年 | 約600億円 |
配当に加えて自社株買いも継続的に実施しており、総合的な株主還元は積極的です。ただし、EV化対応の投資負担増大や業績減益局面においては、自社株買いの規模縮小リスクも念頭に置く必要があります。トヨタグループ各社との持ち合い解消(政策保有株整理)の進展も注目ポイントです。
まとめ
運送用機器セクターとして、購入を考えるなら「エクセディー」が高配当筆頭という感じになる。いささか配当りまわりに魅力は感じにくいものの。とは言え3.9%。利回りが上がる時があるなら購入も考えたい。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
Sources:
・https://www.denso.com/jp/ja/investors/
・https://irbank.net/E01905
・https://finance.yahoo.co.jp/quote/6902.T
・https://www.investing.com/equities/denso-corp



コメント