情報通信セクターなら
ITの世界でも、長く信頼関係を積み重ねてきた会社がある。IBMと共に歩んだ数十年の歴史が、今の安定配当を支えている。情報セクターで高配当株投資をする中で、安心感がある銘柄だと思うが・・・今年に入って、ずいぶんと株価を下げている理由は、利益率の低下や、売り上げ自体が下がっているわけではないのだが、利益率が下がったことによって売られ、利回りも4.33は、情報通信セクターとしては微妙?
どんな会社?
SRAホールディングス(3817)は、システム開発・ITインフラ・パッケージソフト販売を手がける老舗IT持株会社だ。傘下には子会社13社を持ち、主要顧客は日本アイ・ビー・エム(IBM Japan)。「開発事業」「運用・構築事業」「販売事業」の3セグメントで構成される。1967年創業のSRAを中核に、IT全般のソリューションを提供している。
財務は実質無借金で有利子負債がほぼゼロ、自己資本比率は60%前後と安定しており、稼ぐ力の大半を株主還元に充てる方針が際立っている。2021年3月期以降は毎期増配を継続しており、2026年3月期は年間190円と増配予定だ。
業績はおおむね着実な増収傾向だが、特別損失が発生した2023年3月期と2025年3月期に純利益が大幅に落ち込んだ点は特筆しておく必要がある。経常利益ベースでは好調が続いているが、こうした利益の振れ幅は同社への投資において認識しておきたいリスクだ。2026年3月期は特別項目が一巡する見込みで、純利益は前期比45%増の49億円を計画している。
時価総額
約669億円(株価4,390円 × 約1,524万株)
東証プライム上場の情報・通信業では中型株に位置する。IBM系の安定顧客基盤と高配当利回りを評価した長期投資家の保有が多い銘柄で、じわじわと時価総額を拡大してきた。
株価・配当金・セクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 4,390円 |
| 年間配当(予) | 190円 |
| セクター | 情報・通信業 |
| 市場 | 東証プライム |
| 決算期 | 3月期 |
配当利回り・配当支払い月
配当利回り:4.33%(2026年3月期予想・株価4,390円ベース)
配当支払い月:12月(中間)・6月(期末)
4%超の配当利回りは情報・通信業の中で際立って高い水準だ。配当性向が60%前後と高めであることを踏まえても、毎期増配を続けてきた実績と実質無借金の財務体質がその裏付けとなっている。
売上推移
| 年度 | 売上高 |
|---|---|
| 2021年 | 394億円 |
| 2022年 | 402億円 |
| 2023年 | 429億円 |
| 2024年 | 471億円 |
| 2025年 | 516億円 |
| 2026年(予) | 535億円 |
5期で売上が36%増加。開発事業・販売事業の拡大が牽引しており、2026年予想の535億円達成を目指す。IBM関連案件の安定収益に加え、クラウド移行・DX需要の取り込みが成長を支えている。
利益推移
| 年度 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|
| 2021年 | 52.7億円 | 30.7億円 |
| 2022年 | 64.6億円 | 35.8億円 |
| 2023年 | 72.0億円 | 8.79億円 |
| 2024年 | 85.8億円 | 45.8億円 |
| 2025年 | 81.3億円 | 33.8億円 |
| 2026年(予) | 81.5億円 | 49.0億円 |
経常利益はほぼ一貫して増加しているが、純利益に大きなブレがある。2023年3月期と2025年3月期は特別損失の計上により純利益が経常利益から大きく乖離。一方で配当は減らさず維持・増配し続けた点は評価できるが、特別損失の内容と再発リスクは引き続き注目すべき点だ。2026年予想では特別項目の一巡により純利益が49億円と大幅回復を見込む。
EPS(1株当たり利益)
| 年度 | EPS |
|---|---|
| 2021年 | 249.09円 |
| 2022年 | 289.95円 |
| 2023年 | 71.11円 |
| 2024年 | 367.75円 |
| 2025年 | 267.47円 |
| 2026年(予) | 321.52円 |
2023年は特別損失の影響でEPSが71円まで落ち込み、配当140円の配当性向が197%という異常な水準に達した(非常時の一過性)。2026年予想の321円はほぼ2022年並みの水準まで回復する見込みで、2021年以来の正常化が期待される。
ROE(自己資本利益率)
| 年度 | ROE |
|---|---|
| 2022年 | 14.15% |
| 2023年 | 3.39% |
| 2024年 | 15.71% |
| 2025年 | 10.96% |
| 2026年(予) | 15.14% |
通常年(特別損失のない年)のROEは14〜16%と、情報・通信業の平均(10〜15%程度)を上回る水準だ。2023年と2025年は特別損失でROEが押し下げられた。2026年予想の15.14%は本来の実力値に近いと見てよいだろう。
PER & PBR
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| PER | 約13.7倍 |
| PBR | 1.71倍 |
PER13倍台は情報・通信業として割安から適正の範囲。PBR1.71倍は純資産の約1.7倍の株価がついており、高ROEと連続増配への評価が反映されている。業績が安定して推移すれば、さらなる再評価余地もある。
総資産 & 純資産
| 年度 | 総資産 | 純資産 |
|---|---|---|
| 2023年 | 424億円 | 260億円 |
| 2024年 | 473億円 | 292億円 |
| 2025年 | 514億円 | 311億円 |
毎年着実に総資産・純資産が積み上がっている。稼いだキャッシュが配当として還元されつつも、内部留保も増加しており、財務体質は年々強化されている。
自己資本比率
| 年度 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 2023年 | 61.2% |
| 2024年 | 61.6% |
| 2025年 | 59.9% |
3期連続で60%前後を維持。IT持株会社として高い自己資本比率を誇り、外部環境の変化に強い財務構造だ。大幅な借入を行わずに事業拡大・還元強化を両立させている。
有利子負債
| 年度 | 有利子負債 |
|---|---|
| 2023年 | 3.86億円 |
| 2024年 | 0.90億円 |
| 2025年 | 0.70億円 |
実質無借金経営。純資産311億円に対して有利子負債はわずか0.70億円(2025年)と無視できるレベルで、金利上昇のリスクは皆無に等しい。財務コストの心配が不要な、堅牢な経営基盤だ。
1株配当推移
| 年度 | 中間 | 期末 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | 40円 | 70円 | 110円 |
| 2020年 | 40円 | 70円 | 110円 |
| 2021年 | 40円 | 80円 | 120円 ← 増配 |
| 2022年 | 40円 | 90円 | 130円 ← 増配 |
| 2023年 | 40円 | 100円 | 140円 ← 増配(EPS急落でも維持・増配) |
| 2024年 | 40円 | 120円 | 160円 ← 増配 |
| 2025年 | 80円 | 100円 | 180円 ← 中間大幅増配・過去最高 |
| 2026年(予) | 90円 | 100円 | 190円 ← 増配 |
2021年以降、毎期増配を継続。注目すべきは2023年3月期で、EPS71円という大幅減益の年でも減配せずに140円へ増配した点だ。株主還元へのコミットの強さが際立つ。2025年3月期からは中間配当を40円から80円に引き上げ、期末・中間の均等化に向けた姿勢も見える。
配当利回りの推移
| 年度 | 配当利回り |
|---|---|
| 2021年 | 約4.43% |
| 2022年 | 約4.68% |
| 2023年 | 約4.80% |
| 2024年 | 約4.02% |
| 2025年 | 約4.14% |
| 2026年(予) | 4.33%(株価4,390円ベース) |
配当利回りは一貫して4%以上を維持している。株価上昇と増配がほぼ同ペースで推移しており、利回りが大きく低下せずに高水準を保ち続けている点は長期投資家にとって安心材料だ。
配当性向
| 年度 | 配当(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 130円 | 289.95円 | 44.8% |
| 2023年 | 140円 | 71.11円 | 196.8%(特別損失の影響) |
| 2024年 | 160円 | 367.75円 | 43.5% |
| 2025年 | 180円 | 267.47円 | 67.3% |
| 2026年(予) | 190円 | 321.52円 | 59.1% |
2023年の196%は特別損失によるEPS激減の影響であり、例外的な一過性の数値。通常年は40〜70%の範囲で推移しており、持続性は十分と判断できる。ただし2025年のように特別損失が生じる年は再び配当性向が高まるリスクがあり、特別損失の発生動向には注意が必要だ。2026年予想の59.1%は正常範囲内で安定している。
自社株買い
明示的な自社株買いの実施実績は確認できず、株主還元の主軸は連続増配。財務的な余力(実質無借金・自己資本比率60%)は十分にあるため、将来的に自社株買いが加わればさらなるEPS向上につながる可能性があるが、現時点では配当一本での還元方針が続いている。
まとめ
利益率の低い販売業や、人件費の上昇など、利益率が押し下げられている中。買うタイミングを探したい。今がそれなのか?配当利回りがもう少し上がってくるまで待つのか?5月13日の決算を待つのか?決算前にチャレンジするのか?悩みどころは多い「この株」いずれにしてもどこかで買いに入りたい銘柄ではあるが、ここの判断は難しい。とりあえずは決算を待ちます。さらに下がるのを待ちます。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
Sources:
・https://irbank.net/E05640/results
・https://irbank.net/E05640/dividend
・https://irbank.net/E05640
・https://finance.yahoo.co.jp/quote/3817.T
・https://kabutan.jp/stock/finance?code=3817
・https://maoyoshi-papa.com/entry/sra-holdings-3817-25years-dividend-analysis/



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