医薬品銘柄で
自分流高配当株投資のポートフォリオ組む際に分散はやはり必要で、その中でも「医薬品セクター」を担うために購入したのがこの銘柄。2024年8月4033円で購入。今見てみれば2023年後半に大きく下げた後、2年間のボックス相場の中でまぁまぁの安値で買えたのではないかと思う。😊 2025年12月に大きく上昇して今にいたり配当利回りは3.5%。まだまだしっかりと抱きしめておくと決めている銘柄。
どんな会社?
武田薬品工業(証券コード:4502)は、創業240年以上の歴史を誇る日本最大の製薬企業であり、売上収益は4兆5,000億円超(2025年)でグローバル製薬企業トップ10入りを果たしています。希少疾患・消化器・腫瘍・神経科学・血漿分画製剤(PDT)の5領域に経営資源を集中し、世界80以上の国と地域で事業を展開しています。主力製品はENTYVIO(消化器疾患)・TAKHZYRO(遺伝性血管浮腫)・VYVANSE/ELVANSE(神経科学)など。
最大の転換点は2019年のShire Plc買収(買収総額約6.2兆円)で、これによって希少疾患領域を大幅に強化する一方、有利子負債が約4.5兆円に膨らんでいます。IFRS会計基準では買収時に生じた多額の無形資産の償却が毎年発生するため、報告ベースの当期利益・EPSは実態よりも大幅に低く見える点が最大の注意ポイントです。同社は「Core EPS」(無形資産償却等を除いた独自指標)を主たる業績評価軸としており、2025年のCore EPSは491円でした。
一方、2023年は資産売却益で当期利益が3,170億円に膨らみ、2024・2025年は急落という大きな変動が続いています。2026年予想は1,530億円への回復見込みですが、細胞療法開発中止に伴う減損計上で下方修正されており、利益の振れ幅が大きい銘柄です。配当は2009年〜2023年まで14年間180円に固定された後、2024年から増配に転じています。
時価総額
約8.9兆円(2026年4月20日時点)
東証プライム上場の国内医薬品セクターで最大の時価総額を誇り、日本全体でもトップクラスの大型株です。グローバル製薬企業として世界の機関投資家の注目度が高い一方、PER 57倍超というバリュエーションは割高水準であり、利益の本格回復が株価維持の鍵となっています。
株価・配当金・セクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 5,318円(2026年4月22日) |
| 年間配当(予想) | 200円 |
| セクター | 医薬品 |
| 市場 | 東証プライム |
| 決算月 | 3月(IFRS準拠) |
配当利回り・配当支払い月
配当利回り:3.76%(2026年4月20日時点)
配当支払い月:6月・12月
医薬品セクターとしては高水準の利回りです。ただし「利回りが高い=安心」ではなく、報告EPS(約68〜98円)に対して配当200円と配当性向が200%超という構造的な問題があります。同社は「Core EPS(約491円)ベースで配当余力は十分ある」と説明しており、これを信じるかどうかが投資判断の核心です。非減配を30期以上継続しており、配当の安定性への意志は強いといえます。
売上推移
| 年度 | 売上収益 |
|---|---|
| 2022/3 | 3兆5,690億円 |
| 2023/3 | 4兆0,274億円 |
| 2024/3 | 4兆2,637億円 |
| 2025/3 | 4兆5,798億円 |
| 2026/3(予) | 4兆5,000億円 |
売上収益は4期連続で増加してきましたが、2026年予想は前期比▲0.7%とほぼ横ばい。VYVANSE(注意欠如・多動症治療薬)の米国特許切れ(2023年)による後発品の影響が重しとなっています。主力製品ENTYVIO等の成長がVYVANSE減収を部分的に補っている状況です。
利益推移
| 年度 | Core営業利益 | 報告当期利益 |
|---|---|---|
| 2022/3 | — | 約2,300億円 |
| 2023/3 | — | 3,170億円 ※資産売却益含む |
| 2024/3 | 9,188億円 | 1,442億円 |
| 2025/3 | 約9,400億円(推定) | 1,081億円 |
| 2026/3(予) | — | 約1,530億円 |
※Core営業利益は無形資産償却・再編費用・減損等を除く武田薬品の主要管理指標
【重要な読み方】 武田薬品はIFRSのルール上、Shire買収に伴う多額の無形資産を毎年償却します(年間数千億円規模)。このため「報告当期利益」は実態を大幅に下回って見えます。2023年は資産売却益(非経常)が多額に含まれ利益が膨らんでおり、2024年以降の落ち込みは一時要因の剥落と償却負担の継続によるものです。コア事業の実力値を見るには「Core EPS」を参照してください。
EPS(1株当たり純利益)
| 年度 | 報告EPS | Core EPS(参考) |
|---|---|---|
| 2022/3 | 約145円 | — |
| 2023/3 | 約199円 | — |
| 2024/3 | 約91円 | 484円 |
| 2025/3 | 約68円 | 491円 |
| 2026/3(予) | 97.86円 | 約530円(推定) |
※報告EPSは発行済株式数(約15.9億株)で親会社帰属当期利益を割った数値
※Core EPSは無形資産償却・一時損益等を除いた同社の経営指標
報告EPS(68〜99円)と配当200円の乖離が非常に大きく、通常の配当性向分析では200%超という異常値になります。しかし同社は Core EPS(484〜491円)を根拠として配当余力を説明しており、どちらの視点で評価するかが議論の分かれ目です。
ROE(自己資本利益率)
| 年度 | ROE |
|---|---|
| 2023/3 | 約4.2% |
| 2024/3 | 約1.9% |
| 2025/3 | 1.52% |
| 2026/3(予) | 約2.0% |
医薬品業界の平均ROEが10%前後であることを踏まえると、1〜2%台という水準は著しく低い状態です。Shire買収で自己資本が大きく膨らんだ(約7.7兆円)一方、報告利益が抑制されているためです。Core EPSベースで計算すると見かけ上は改善しますが、IFRS報告ベースの数値が低い事実は変わりません。
PER & PBR
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| PER | 54.34倍 |
| PBR | 1.23倍 |
PER 54倍超は医薬品セクターでもかなりの割高水準です。報告EPSが低いことでPERが跳ね上がっている面が大きく、「Core EPS基準のPER」(5,318÷530≈10.0倍)で見るとむしろ割安感が出ます。PBR 1.23倍は純資産比でほぼ妥当な水準ですが、純資産の大部分がShire買収に伴うのれん・無形資産であり、減損リスクを内包している点は留意が必要です。
総資産&純資産
| 年度 | 総資産 | 純資産 |
|---|---|---|
| 2023/3 | 約13兆円 | 約6.3兆円 |
| 2024/3 | 約15兆円 | 約7.2兆円 |
| 2025/3 | 約14.2兆円 | 約6.9兆円 |
Shire買収に伴うのれん・無形資産が総資産の大部分を占めるため、総資産規模は日本屈指の水準です。純資産は毎期の利益で積み上がっており、方向性は安定的です。ただし、のれんや無形資産の減損が発生すると純資産が急減するリスクがある点は注意が必要です。
自己資本比率
| 年度 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 2023/3 | 約46〜47% |
| 2024/3 | 約47〜48% |
| 2025/3 | 48.7% |
製薬業界としては標準的な水準です。巨額ののれん・無形資産が分母(総資産)に含まれており、実質的な財務健全性はこの数値だけでは判断できません。同社のネット有利子負債(借入金−現金)は4兆円を大きく超えるため、自己資本比率よりも有利子負債の動向を重視すべき銘柄といえます。
有利子負債
| 年度 | 有利子負債 |
|---|---|
| 2024/3 | 4兆8,438億円 |
| 2025/3 | 4兆5,153億円 |
| 2025年10月(中間期) | 4兆6,453億円 |
2019年のShire買収により生じた有利子負債は最大時には約6兆円超に達していました。その後、非中核資産の売却(消費者向けヘルスケア事業等)により削減が進み、2025年末に4.5兆円まで縮小しています。ただし依然として4兆円超の巨額の借入を抱えており、金利上昇局面では財務コストの増加が懸念されます。「有利子負債倍率」の計算はCore営業キャッシュフローを分母とするのが同社には適切です。
1株配当推移
| 年度 | 中間 | 期末 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2019/3 | 90円 | 90円 | 180円 |
| 2020/3 | 90円 | 90円 | 180円 |
| 2021/3 | 90円 | 90円 | 180円 |
| 2022/3 | 90円 | 90円 | 180円 |
| 2023/3 | 90円 | 90円 | 180円 |
| 2024/3 | 94円 | 94円 | 188円 ←15年ぶり増配 |
| 2025/3 | 98円 | 98円 | 196円 ←増配 |
| 2026/3(予) | 100円 | 100円 | 200円 ←増配 |
2009年3月期から2023年3月期まで実に14年間、年間180円で固定された配当を維持し続けました。2024年に15年ぶりの増配に踏み切り、以降は毎年増配を継続。非減配の継続年数は30期超に及びます。ただし報告EPS水準では到底賄えない配当額であり、Core事業キャッシュフローによって支えられています。
配当利回りの推移
| 年度 | 1株配当 | 配当利回り(期末株価ベース概算) |
|---|---|---|
| 2019/3 | 180円 | 3.98% |
| 2020/3 | 180円 | 5.44% |
| 2021/3 | 180円 | 4.52% |
| 2022/3 | 180円 | 5.15% |
| 2023/3 | 180円 | 4.14% |
| 2024/3 | 188円 | 4.49% |
| 2025/3 | 196円 | 4.44% |
2020年は新型コロナによる株価下落で利回りが5.44%まで上昇しました。2022年も株価低迷により5%台を記録。近年は株価が5,600円台まで回復したため現在の利回りは3.57%まで低下しています。「高利回り」の背景には株価の低迷期があったことも踏まえた上で評価することが大切です。
配当性向
| 年度 | 配当金 | 報告EPS | 配当性向(報告) | Core EPS(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 2022/3 | 180円 | 約145円 | 124% | — |
| 2023/3 | 180円 | 約199円 | 90% | — |
| 2024/3 | 188円 | 約91円 | 207% | 484円 |
| 2025/3 | 196円 | 約68円 | 288% | 491円 |
| 2026/3(予) | 200円 | 97.86円 | 204% | 約530円 |
報告EPSベースの配当性向は直近3期で100%超が続いており、2025年は288%という極めて高い水準です。通常のスクリーニングでは「配当性向288%=危険」と映りますが、同社はIFRS無形資産償却(非現金費用)が利益を大きく押し下げているため、Core EPS(491円)を基準にすると配当性向は約40%程度になります。どちらの視点が正しいかは判断の分かれるところですが、Core事業の業績が悪化した場合は配当減額リスクが高まる点は常に念頭に置くべきです。
自社株買い
武田薬品は2025年1月30日、1,000億円(発行済株式の1.80%)を上限とする自社株買いを発表しました。これは通期予想の上方修正と併せて発表され、株主還元への積極姿勢を示すものとなりました。実際の取得は2025年2月から開始され、同年4月21日には予定通り上限近くまで買い付けを完了しています。
まとめ
2000年IT バブルの時期には最高値8000円。リーマンショックの前にも8000円。2018年初頭には6500円。と、それなりに大きく上下をしながら、ここまで来た銘柄。ここからまた上昇相場になるように見えます。長く180円だった配当もここに来て増配をし始め大きく株価を上げるのだと思っている。何よりも考慮すべきは2019年のM&Aから8年。徐々に減価償却が終わっていく中、この辺で物色しておくと言うのは、決して悪い判断ではないと思っています。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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