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どんな会社?
クレオ(9698)は、給与計算・人事・勤怠管理などの企業向けHR(人事)ソリューションを中心としたITシステムを提供する情報通信企業です。勤怠管理機器大手のアマノ(6436)が32.59%を保有する筆頭株主で、LINEヤフーも13.55%を出資する安定した株主構成を持ちます。
主力事業は企業の基幹業務を支える給与・人事・販売管理システムで、中小・中堅企業を中心に幅広い顧客基盤を持ちます。競合の多いIT業界において、アマノとの連携で勤怠・給与のワンストップソリューションに強みを発揮しています。
財務面では自己資本比率73%超・有利子負債ゼロという極めて堅実な財務基盤が際立ちます。売上高は140億円台での横ばい推移が続いていますが、利益は回復基調にあります。9期連続増配を達成予定(2027年3月期予想56円)で、配当利回りは約4.6%と高水準。積極的な株主還元姿勢が光る中堅IT株ですが、売上成長という観点では物足りなさも感じる銘柄です。
時価総額
約103億円(2026年5月現在)
中小型株の域を出ておらず、流動性は限られます。機関投資家より個人投資家向けの銘柄と言えます。情報通信業の中では規模は小さいですが、財務健全性と連続増配で堅実な存在感を示しています。時価総額が小さいことから株価変動リスクも相対的に高い点には注意が必要です。
株価・配当金・セクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 1,206円(2026年5月11日時点) |
| 予想配当金 | 56円(2027年3月期予想) |
| セクター | 情報・通信業 |
| 決算期 | 3月期 |
配当利回り・配当支払い月
予想配当利回り:約4.64%(株価1,206円・予想配当56円ベース)
配当支払い月:6月(期末配当のみ・年1回)
配当利回り4.6%台は、情報通信業の中では高い水準です。ただし、年1回払い(期末配当のみ)のため、配当を受け取れるのは年に1度だけという点は把握しておきましょう。9期連続増配という実績は高く評価できますが、配当性向が50〜65%台と高めで推移しており、業績が大きく落ち込んだ場合の増配継続には一定のリスクがあります。
売上推移
| 年度 | 売上高 |
|---|---|
| 2022年 | 147.8億円 |
| 2023年 | 146.9億円 |
| 2024年 | 143.5億円 |
| 2025年 | 145.2億円 |
| 2026年 | 145.7億円 |
売上高は143〜148億円のレンジで横ばい推移が続いています。大きな成長は見られず、成熟した市場での安定的な事業運営が続いている状況です。クラウドシフトや新製品投入による成長加速が今後の注目点となりますが、現時点では売上成長力は乏しいと言わざるを得ません。
利益推移
| 年度 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|
| 2022年 | 11.1億円 | 6.6億円 |
| 2023年 | 9.1億円 | 4.9億円 |
| 2024年 | 11.0億円 | 7.2億円 |
| 2025年 | 11.5億円 | 6.9億円 |
| 2026年 | 12.1億円 | 8.1億円 |
2023年は経常利益・純利益ともに落ち込みましたが、その後は回復基調です。2026年3月期は経常利益12.1億円(前期比+5.2%)、純利益8.1億円(同+16.0%)と直近最高水準を更新しました。売上成長が乏しい中での利益改善であり、コスト管理の成果と言えます。日本会計基準(J-GAAP)を採用しており、経常利益を主要指標として確認できます。
EPS(1株あたり純利益)
| 年度 | EPS |
|---|---|
| 2022年 | 80.26円 |
| 2023年 | 60.96円 |
| 2024年 | 90.21円 |
| 2025年 | 89.08円 |
| 2026年 | 104.25円 |
| 2027年(予) | 約106円 |
2023年はEPS60.96円まで落ち込みましたが、2024年に大幅回復。2026年は104.25円と直近最高水準を更新しました。配当55円(2026年)はEPS104円に対して配当性向52.7%であり、まだ増配余地があります。2027年予想EPS約106円に対して配当56円(予)の配当性向は約53%の見込みで、業績が安定すれば今後も増配継続が期待できます。
ROE(自己資本利益率)
| 年度 | ROE |
|---|---|
| 2022年 | 9.39% |
| 2023年 | 7.05% |
| 2024年 | 9.83% |
| 2025年 | 9.49% |
| 2026年 | 10.42% |
ROEは2023年の落ち込みから回復し、2026年は10.42%と10%台を回復しました。情報通信業の平均ROEは概ね10〜15%程度であり、クレオは平均的な水準にあります。無借金経営で自己資本が厚いため、レバレッジ効果がなくROEは高くなりにくい構造です。財務安全性と収益性のトレードオフと言えます。
PER & PBR
PER(予想):約11.4倍 PBR:1.21倍
PER11.4倍は情報通信業の中では割安な部類です。同業他社と比較すると低めのバリュエーションであり、業績が安定していることを考えると割安感があります。PBR1.21倍は純資産比では若干プレミアムがついていますが、無借金・高自己資本の財務体質を考えると妥当な水準です。成長期待は限られている分、配当利回りの高さが下値支持力となっていると言えます。
総資産&純資産
| 年度 | 総資産 | 純資産 |
|---|---|---|
| 2024年 | 100.6億円 | 72.9億円 |
| 2025年 | 99.9億円 | 73.3億円 |
| 2026年 | 105.5億円 | 77.3億円 |
総資産・純資産ともに安定的に増加傾向にあります。純資産の増加は内部留保の蓄積によるもので、財務基盤は年々強化されています。時価総額103億円に対して純資産77億円というのは、PBR1.2倍台の水準感とも一致します。
自己資本比率
| 年度 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 2024年 | 72.5% |
| 2025年 | 73.4% |
| 2026年 | 73.4% |
情報通信業において自己資本比率70%超は非常に高い水準です。無借金経営と相まって、財務リスクは極めて低い会社と言えます。業績が多少振れても財務的に揺るぐ心配はなく、安心感があります。一方で、財務余力を十分に活かした積極的な成長投資が行われていないという見方もできます。
有利子負債
クレオは2013年3月期以降、有利子負債ゼロを継続しています。借入金・社債などの金利負担がなく、純粋に事業で稼いだキャッシュを配当・自社株買いなどの株主還元や事業投資に充てることができます。ソフトウェア系IT企業として固定資産が少なく、事業特性上、多額の借入が不要なビジネスモデルです。無借金経営は財務健全性の象徴であり、クレオの大きな強みの一つです。
1株配当推移
| 年度 | 1株配当 |
|---|---|
| 2019年 | 25円 |
| 2020年 | 35円 ←大幅増配 |
| 2021年 | 38円 |
| 2022年 | 39円 |
| 2023年 | 40円 |
| 2024年 | 50円 ←大幅増配 |
| 2025年 | 51円 |
| 2026年 | 55円 ←増配 |
※年1回払い(期末配当のみ)。2027年3月期は56円(予)←増配。
2019年の25円から2026年の55円まで約7年間で2.2倍に増配。特に2020年と2024年に10円ずつの大幅増配を実施しています。業績が落ち込んだ2023年でも40円を維持したことは、配当維持への強い姿勢を示しています。連続増配の実績は株主への還元意識の高さを示すものとして評価できます。
配当利回りの推移
| 年度 | 配当 | 参考利回り |
|---|---|---|
| 2022年 | 39円 | — |
| 2023年 | 40円 | — |
| 2024年 | 50円 | — |
| 2025年 | 51円 | — |
| 2026年 | 55円 | 4.56% |
| 2027年(予) | 56円 | 4.64% |
※参考利回りは2026年5月時点の株価1,206円ベース。過去年度の利回りは当時の株価により異なります。
直近の配当利回り4.6%台は、情報通信業の中では高水準です。株価が低迷している時期は高利回りとなり、配当目的の投資家には下値支持力となっています。一方で、株価上昇局面では利回りが低下するため、高利回りを維持するためには配当の継続的な引き上げが重要です。
配当性向
| 年度 | EPS | 配当 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 80.26円 | 39円 | 48.6% |
| 2023年 | 60.96円 | 40円 | 65.6% |
| 2024年 | 90.21円 | 50円 | 55.4% |
| 2025年 | 89.08円 | 51円 | 57.2% |
| 2026年 | 104.25円 | 55円 | 52.7% |
| 2027年(予) | 約106円 | 56円 | 約53% |
2023年は純利益が落ち込む中でも配当40円を維持したため、配当性向が65.6%まで上昇しました。会社の配当方針(連結配当性向40%目標)を大きく超えており、業績悪化時の配当維持への強い意志が見られます。ただし、長期的に配当性向が50〜65%台で推移していることは、業績が再び悪化した場合の増配継続に対するリスク要因です。持続的な増配には業績回復・拡大が不可欠と言えます。
自社株買い
| 年度 | 自社株買い金額 |
|---|---|
| 2017年 | 約6,800万円 |
| 2020年 | 約2億円 |
| 2022年 | 約2.4億円 |
| 2024年 | 約3.9億円 |
自社株買いの規模は小さいながらも継続的に実施されており、その金額は増加傾向にあります。時価総額100億円規模の会社としては配当が主な還元手段ですが、自社株買いを組み合わせることで総合的な株主還元を強化しています。毎年実施しているわけではなく散発的にとどまっている点はやや物足りません。
免責事項
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。



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