[8005]スクロールをパティシエが分析!総合通販・株主優待廃止で配当に集約・DOE8.5%の累進配当で配当利回り6%超[2026/6/4]

パティシエが分析するスクロール8005の株価チャートと容積分析のイメージ 物色!個別銘柄

これは2月1日に

紹介した「スクロール」その時の株価が1303円配当金が59円。その時に購入していれば、当然キャピタルゲインも充分。で配当金も記念杯がつくが102円 大幅に増加している。そして株価も上がっているとは言うものの、配当利回りも上がっており力強い動きをしている。5月決算で跳ね上がった株価はどうやら落ちそうにないので、この辺で6%を超える高配当株。もう少し追加しておきたいもの。

1. どんな会社?

スクロール(8005)は、カタログ通販・eコマース・フルフィルメントサービスを主力とする総合通販企業です。自社ブランドの通販事業に加え、他社EC事業者向けの物流・受注処理・コールセンター等を一括受託する「フルフィルメントサービス」事業を拡大しており、通販の「縁の下の力持ち」として成長を続けています。

業績面では2021年3月期のコロナ特需をピークに調整が続きましたが、2025・2026年は増収に転じています。2026年3月期は売上高885.5億円と増収ながら、eコマース事業の不採算事業撤退に伴う特別損失8.51億円の計上により純利益は27.68億円(前期比-35%)と大きく落ち込みました。一方、2027年3月期は経常利益+5%増益を会社が見込んでいます。

株主還元面では2026年5月に大きな方針転換を発表。①株主優待制度の廃止、②配当方針を「連結配当性向60%またはDOE(純資産配当率)8.5%のいずれか高い方を基準とした累進配当」に変更し、2027年3月期の配当を102円(前期59円比+43円)と大幅増配を決定しました。3期連続増配で、配当利回りは6%を超える水準です。

2. 時価総額

約561億円

東証プライム上場。時価総額560億円台は中型株の水準。通販・フルフィルメント業界では中堅どころですが、高配当・累進配当の発表でにわかに注目度が高まっています。配当利回り6%超・PBR1.45倍という組み合わせは、高配当投資家に刺さる水準です。

3. 株価・配当金・セクター

項目内容
株価1,620円(2026年6月4日)
配当金102円(2027年3月期予想:普通97円+記念5円)
セクター小売業

4. 配当利回り・配当支払い月

6.30%(2027年3月期予想配当102円÷株価1,620円)

6%超は高配当株の中でも上位の水準。配当方針は「連結配当性向60%またはDOE8.5%のいずれか高い方」を基準とした累進配当で、減配はしない姿勢を明確にしました。純資産352億円に対するDOE8.5%は年間配当総額約30億円に相当し、現在の配当水準(102円×3,463万株≒35億円)はこれを上回る水準です。なお同時に株主優待制度を廃止し、株主還元を配当に一本化しています。配当支払い月は12月(中間)・6月(期末)の年2回。

5. 売上推移

年度売上高
2021年851.9億円
2022年813.9億円
2023年810.2億円
2024年798.3億円
2025年840.3億円
2026年885.5億円
2027年(予)増収見込み(フルフィルメント事業拡大が牽引)

2021年のコロナ特需ピーク後、2022〜2024年にかけて売上が落ち込みましたが、2025年から回復に転じ2026年は最高水準の885億円を達成。不採算事業の撤退を完了し、収益構造の改善を図りながら増収基調を維持しています。フルフィルメントサービス事業の拡大が今後の成長ドライバーです。

6. 利益推移

年度経常利益純利益
2021年75.2億円51.8億円
2022年71.0億円55.8億円
2023年61.9億円41.7億円
2024年55.1億円36.5億円
2025年64.2億円42.7億円
2026年61.7億円27.7億円 ←特別損失計上
2027年(予)64.7億円(+5%予想)約44億円

2026年3月期の純利益大幅減は、eコマース不採算事業撤退に伴う特別損失8.51億円が直撃した一時的要因です。経常利益ベースでは61.7億円と前期比-4%にとどまっており、本業は底堅く推移しています。2027年予想では経常利益が+5%増益と回復を見込んでおり、純利益も正常化が期待されます。

7. EPS

年度EPS
2021年149.63円
2022年160.19円
2023年119.38円
2024年105.03円
2025年124.14円
2026年80.68円
2027年(予)約127円

2026年のEPS80.68円は特別損失の影響を受けた一時的な落ち込みで、2027年予想の約127円は回復を示します。ただし2027年の予想配当102円(DOE・性向基準で算出)はEPS127円に対して配当性向80%超と高水準。DOE8.5%基準が配当額を押し上げている構図で、EPS基準の40〜60%よりも高い配当が出る形になっています。

8. ROE

年度ROE
2021年19.45%
2022年18.59%
2023年13.03%
2024年10.93%
2025年11.70%
2026年7.34%
2027年(予)11.41%

2021〜2022年はコロナ特需でROEが19〜20%と非常に高い水準でしたが、その後低下し2026年は特損影響で7.34%まで落ち込みました。2027年予想では11.41%に回復する見通し。小売業平均と比較すると中程度の水準です。

9. PER & PBR

PER:12.74倍(2027年3月期予想ベース)/ PBR:1.45倍

PER12倍台は割安〜標準の水準。PBR1.45倍はROE11%程度に見合った評価です。配当利回り6%超・PBR1.45倍というのは、高配当株の中でもバランスの取れた水準で、特段の割高感はありません。不採算事業撤退完了・累進配当導入というポジティブな変化が株価再評価につながるか注目されます。

10. 総資産&純資産

年度総資産純資産
2024年532億円321億円
2025年560億円351億円
2026年590億円352億円

総資産は着実に拡大。2026年は純利益が特損で減少したため純資産の増加は1億円にとどまりましたが、総資産自体は590億円まで拡大しています。不採算事業撤退後は資産の効率化が進む見込みで、今後の純資産回復に期待が持てます。

11. 自己資本比率

年度自己資本比率
2024年62.7%
2025年65.1%
2026年63.9%

自己資本比率は60%台を安定的に維持。小売業としては高水準で、財務の安全性は十分確保されています。2026年は純利益の落ち込みで若干低下しましたが、構造的な変化ではありません。

12. 有利子負債

年度有利子負債
2024年30億円
2025年ほぼゼロ
2026年ほぼゼロ

2025年3月期以降は有利子負債がほぼゼロとなり、実質無借金経営を達成。金利上昇環境でも財務コストの増加リスクがない状態で、DOE方針に基づく安定配当の実施基盤が整っています。

13. 1株配当推移

年度中間期末合計
2019年5円5円10円
2020年5円5円10円
2021年7.50円52.50円60円 ←コロナ特需で大幅増配
2022年10円54.50円64.50円
2023年10円38円48円 ←減配
2024年24円18円42円 ←減配
2025年24円27.50円51.50円
2026年29.50円29.50円59円
2027年(予)51円51円102円 ←累進配当方針・DOE8.5%下限

2021年のコロナ特需で急増配、その後の業績正常化で2023・2024年に減配という波がありました。2025・2026年と持ち直し、2027年は方針変更により一気に102円へ大幅増配。累進配当(DOE8.5%下限)の導入により、今後は安定した配当が期待できます。なお2021〜2022年の期末配当が突出して高い(52.50〜54.50円)のは特別配当を含むためです。

14. 配当利回りの推移

年度配当配当利回り(概算)
2023年48円約3.5%
2024年42円約3.2%
2025年51.50円約3.8%
2026年59円約4.4%
2027年(予)102円約6.30%

2027年3月期の大幅増配(102円)により、配当利回りが一気に6.30%まで上昇。株主優待廃止と累進配当導入の発表後、株価はストップ高で反応しており市場の評価は高い状況です。今後は純資産の成長とともにDOE基準の配当が増加するため、長期的な利回り改善も期待できます。

15. 配当性向

年度EPS配当配当性向
2023年119.38円48円40.2%
2024年105.03円42円40.0%
2025年124.14円51.50円41.5%
2026年80.68円59円73.1%
2027年(予)約127円102円約80.3%

2023〜2025年は40%台と非常に健全な配当性向でしたが、2026年は特損によるEPS低下で73.1%に上昇。2027年予想は配当方針変更により約80%と高水準が続きます。ただしDOE8.5%方針は純資産(352億円)を基準に配当を決める仕組みのため、EPS基準だけで持続性を評価するのは適切でありません。純資産が安定・成長している限り、配当の持続性は確保されると評価できます。

16. 自社株買い

大規模な自社株買いの実績・発表は確認できませんでした。2026年5月の方針転換では「配当等による利益還元に集約」とされており、自社株買いよりも配当を軸とした株主還元を重視する方針です。

まとめ

株主優待をやめて、配当に全力投球。DOE8.5%下限・3期連続増配で利回り6%超。通販の「縁の下の力持ち」が本気の株主還元に踏み切った。

株価的にも決して買いにくい価格ではないので、「少し下がった」と言うよりは上げ止まっているタイミング見計らって追加購入を考えたい。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

Sources:
・https://irbank.net/E03054
・https://irbank.net/E03054/pl
・https://irbank.net/E03054/dividend
・https://irbank.net/E03054/bs
・https://finance.yahoo.co.jp/quote/8005.T
・https://diamond.jp/zai/articles/-/1066786

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