新しい法律はどうなの?
自転車に乗ったことのない人は、日本にほとんどいないだろう。その自転車を買う場所として、全国1,000店舗超のネットワークを持つ会社。買ったのは2025年11月1300円で購入。その後横ばいでいたが、ここのところ少しまだ下げている。3.8%あれば、平均的な高配当株と言って良いので、今のところホールド。今後物価高とともに株価が上がることを祈る。
どんな会社?
(株)あさひ(3333)は、自転車専門店「サイクルベースあさひ」を展開する国内最大手の自転車小売チェーンだ。販売だけでなく修理・メンテナンスサービスも強みとし、買ってからも通い続けてもらう仕組みが競争優位の源泉となっている。
コロナ禍の2021年2月期は「密を避ける移動手段」として自転車需要が爆発し、純利益47億円・ROE14%超という絶頂期を迎えた。その後は特需の剥落で業績は落ち着き、2026年2月期はコスト増と消費マインドの冷え込みが重なり純利益が36%減と大幅に落ち込んだ。
財務面は実質無借金経営で自己資本比率70%超を一貫して維持。手堅い財務基盤が特徴で、2024年2月期からは配当を大幅増配(年28円→45円)し株主還元を強化している。2026年2月期に一時的な減益で配当性向が57%まで上昇したが、2027年2月期予想では業績回復と合わせて47%台への正常化を見込む。コロナ特需前と比べると収益力はまだ戻り切っておらず、コスト構造の改善が今後の課題だ。
時価総額
約339億円(株価1,292円 × 約2,624万株)
東証プライム上場の小売業では中小規模に位置する。自転車専門チェーン最大手でありながら純資産の84%程度の株価(PBR0.84倍)にとどまっており、市場評価は収益性の低下を反映している。
株価・配当金・セクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 1,292円 |
| 年間配当(予) | 50円 |
| セクター | 小売業 |
| 市場 | 東証プライム |
| 決算期 | 2月期 |
配当利回り・配当支払い月
配当利回り:3.87%(2027年2月期予想・株価1,292円ベース)
配当支払い月:11月(中間)・5〜6月(期末)
3%台後半の利回りは小売業の中でも高水準。業績回復局面での株価低迷が利回りを押し上げている構図だ。2024年から年1回払い(期末のみ)→年2回払い(中間+期末)に変更し、増配と同時に安定性を高めた点は評価できる。
売上推移
| 年度 | 売上高 |
|---|---|
| 2021年 | 694億円 |
| 2022年 | 713億円 |
| 2023年 | 747億円 |
| 2024年 | 780億円 |
| 2025年 | 815億円 |
| 2026年 | 813億円 |
| 2027年(予) | 863億円 |
売上は2020年のコロナ特需以降、毎年着実に増加してきた。2026年はほぼ横ばいで踊り場を迎えたが、これは単価の安い普及価格帯自転車の需要減少と電動アシスト自転車の買い替えサイクル長期化が重なったため。2027年予想は6%増と再び成長軌道への復帰を目指す。
利益推移
| 年度 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|
| 2021年 | 73億円 | 47億円 |
| 2022年 | 55億円 | 35億円 |
| 2023年 | 53億円 | 34億円 |
| 2024年 | 52億円 | 31億円 |
| 2025年 | 56億円 | 36億円 |
| 2026年 | 42億円 | 23億円 |
| 2027年(予) | 44億円 | 27億円 |
2021年のコロナ特需ピーク後、純利益は緩やかに低下してきた。2026年は人件費増・物流コスト増・減価償却費増が一気に重なり純利益が23億円と2025年比で36%減という大幅な落ち込みを記録。2027年予想は回復を見込むが、2021年の水準(47億円)には程遠く、抜本的な収益改善が求められる局面にある。
EPS(1株当たり利益)
| 年度 | EPS |
|---|---|
| 2021年 | 180.91円 |
| 2022年 | 135.68円 |
| 2023年 | 128.90円 |
| 2024年 | 119.21円 |
| 2025年 | 136.51円 |
| 2026年 | 87.09円 |
| 2027年(予) | 104.83円 |
コロナ特需の2021年から5年でEPSが半分以下に落ちた。2026年の87.09円は直近で最低水準。2027年予想の104円への回復は歓迎できるが、2024年(119円)の水準すら下回っており、増配分のカバーには業績の一段の改善が必要だ。
ROE(自己資本利益率)
| 年度 | ROE |
|---|---|
| 2023年 | 9.62% |
| 2024年 | 8.42% |
| 2025年 | 9.09% |
| 2026年 | 5.65% |
| 2027年(予) | 6.8%前後 |
ROEは一貫して下落傾向にあり、2026年は5.65%と小売業の目安(8〜10%程度)を明確に下回った。純利益の落ち込みが直接の要因で、2027年予想でも7%前後と本格回復には至らない見通し。PBR1倍割れとROEの低下はセットで考えるべきリスクだ。
PER & PBR
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| PER | 12.32倍 |
| PBR | 0.84倍 |
PER12倍台は割高感のない水準。PBR0.84倍と純資産を下回る株価は、ROEの低さが市場に評価されていない現状を反映している。ただし業績が回復してROEが10%台に戻れば、PBR1倍以上への修正余地もあると見ることができる。いずれにせよ、収益性の改善が評価の前提になる。
総資産 & 純資産
| 年度 | 総資産 | 純資産 |
|---|---|---|
| 2024年 | 525億円 | 369億円 |
| 2025年 | 544億円 | 391億円 |
| 2026年 | 560億円 | 401億円 |
総資産・純資産ともに毎年着実に増加。利益が落ちながらも純資産が増え続けているのは、配当支払い後も内部留保を積み上げている証拠で、財務基盤の堅固さを裏付けている。
自己資本比率
| 年度 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 2024年 | 70.3% |
| 2025年 | 71.8% |
| 2026年 | 71.6% |
3期連続で70%超を維持。小売業では高い水準で、店舗賃貸主体のビジネスモデルが大きな固定資産を必要としないため、健全な財務体質を保ちやすい。
有利子負債
実質無借金経営。借入に頼らずキャッシュフローの範囲内で事業展開・出店を行う財務規律が徹底されており、金利上昇リスクの影響は受けない。小売業としては模範的な財務姿勢だ。
1株配当推移
| 年度 | 中間 | 期末 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | — | 18円 | 18円 |
| 2020年 | — | 18円 | 18円 |
| 2021年 | — | 28円 | 28円 ← 増配 |
| 2022年 | — | 28円 | 28円 |
| 2023年 | — | 28円 | 28円 |
| 2024年 | 22.50円 | 22.50円 | 45円 ← 大幅増配・年2回払いへ |
| 2025年 | 25円 | 25円 | 50円 ← 増配 |
| 2026年 | 25円 | 25円 | 50円 |
| 2027年(予) | — | — | 50円 |
2021年にコロナ特需を受けて増配(18→28円)。2024年からは大幅増配(28→45円)に加え、中間配当の導入で年2回払いに変更した。2025年にさらに50円へ増配し、2026〜2027年は50円で維持の方針。業績が大きく落ち込んだ2026年も減配しなかった点は株主還元の姿勢として評価できる一方、持続性については注視が必要だ。
配当利回りの推移
| 年度 | 配当利回り |
|---|---|
| 2023年 | 2.05% |
| 2024年 | 3.52% |
| 2025年 | 3.48% |
| 2026年 | 3.88% |
| 2027年(予) | 3.87%(株価1,292円ベース) |
増配と株価低迷の組み合わせで配当利回りは上昇傾向。3%台後半は小売株としては魅力的な水準だが、業績回復が伴わなければ利回りの高止まりはリスクの裏返しでもある。
配当性向
| 年度 | 配当(円) | EPS(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 28円 | 128.90円 | 21.7% |
| 2024年 | 45円 | 119.21円 | 37.8% |
| 2025年 | 50円 | 136.51円 | 36.6% |
| 2026年 | 50円 | 87.09円 | 57.4% |
2026年は純利益が急減した一方で配当を維持したため、配当性向が57.4%まで急上昇した。容認できないレベルではないが、再度業績が悪化すると60%超に達するリスクがある。2027年予想では業績回復により47%台への低下を見込むが、コロナ前の20%台に戻るのは難しい見通しで、増配した分だけ安全余裕が狭くなっている点は正直に認識しておきたい。
自社株買い
明示的な自社株買いの実施実績は確認できず、株主還元の主軸は配当。財務余力(実質無借金・自己資本比率71%)は十分あるため、今後の自社株買い実施に期待する声もあるが、現時点では配当一本で株主に報いる方針が続いている。
まとめ
高配当株投資においてセクター分散は欠かせないが、その中でも「小売業」と「食品」は高配当銘柄が少なく、丁寧に拾っていく必要があるセクターだ。通信・卸売・サービス・化学といったセクターに比べると選択肢が限られるだけに、この「あさひ」はポートフォリオの中で重要な位置を担っている。 配当利回り3.87%は高配当株として十分な水準。業績の踊り場は気になるところだが、PBR0.84倍の割安感と実質無借金の財務基盤を信じて、現状はホールド継続。希望する分は買えているので買い増しの予定はないが、このまましっかり抱えておきたい銘柄だ。🖐️
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
記載されている情報は執筆時点のものであり、その後変更される場合があります。
投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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