最近よく耳にする「自社株買い」一体どういうことでしょう? 株主への「裏の配当」とも言えるかもしれません。株価が上がる理由は多々ありますが、これもその1つ。既に発行している株の数量を減らすことで、1株当たりの価値を上げていく。2024年東証の要請以降、多くの企業で行われている。この「自社株買い」
今回は「自社株買い」についてのレシピです。
自社株買いとは?
「会社」を1枚のホールケーキ「発行済株式数」をカット数に例えてみます。
現状・・・ 8等分されたケーキがあります。あなたは1枚(1株)持っています。
自社株買いの発動・・パティシエ(会社)が、市場に出回っている自分の店の引換券(株)を自分のお金で4枚買い戻し、それをシュレッダーにかけて消してしまいます(消却)。
その結果・・・ ケーキの大きさ(会社の価値)は変わらないのに、カット数が8等分から「4等分」に減ります。すると、あなたが持っている1枚あたりのケーキのサイズ(1株あたりの価値)は、勝手に2倍に大きくなりますよね!そして、以前触れたEPS(1株当たり純利益)。こちらの価値も上がっていきます。【EPS🟰当期純利益➗発行済み株式数】発行済みの株式の数が減れば、もちろん1株あたりの純利益も増えるのは当然のこと。
「株主が何もしていなくても、会社が勝手に『あなたの持っている1株の重み』を増やしてくれる。それが自社株買いなんです。」
会社はなぜ「自社株買い」をするのか?
東証(東京証券取引所)の核心的な要請:資本コストと株価を意識した経営を!
東証が2023年から継続して強く要請しているのは、「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」の改善です。これに対して、自社株買いは以下のような「特効薬」としての役割を期待されています。
- 「お金を寝かせすぎ」への警告: 多くの日本企業が「お財布(自己資本)」をパンパンにしたまま、それを新しいケーキ開発(投資)や株主への還元に使っていませんでした。東証は「その余っているお金(資本)を使って、ROEを上げなさい」と迫っています。
- 「自社株買い」によるROEの向上: 自社株を買うと自己資本(分母)が減ります。結果として、以前解説した「ROE(資本をどれだけ効率よく使って稼いだか)」の数字が跳ね上がります。東証はこれを通じて、企業の価値を高めるよう促しているのです。
「ただ買うだけ」では不十分になった
2024年頃からの大きな変化は、「とりあえず自社株買いをすれば評価される」という時代が終わったことです。東証や投資家は以下の「中身」を見るようになっています。
- 「消却(しょうきゃく)」までがセット: 買った株を金庫にしまっておく(金庫株)のではなく、「完全に消し去る(消却)」ことで、1株あたりの価値を恒久的に高める姿勢が重視されています。
- 成長投資とのバランス: 「将来のケーキ作り(研究開発や設備投資)」に使うお金まで削って自社株買いをするのは本末転倒です。「成長もしつつ、余った分はしっかり返す」という論理的な説明(資本政策)が求められています。
まとめ
これは「7751キャノン」の自社株買いの推移です。

総じて、自社株買いと言うのは我々株主にとっては「大歓迎」なことです。「この銘柄いいな!」と見つけた銘柄が、これまでどのような形で自社株買いを行ってきたかと言うのはIR BANKを見れば、一目瞭然でわかります。近年、東証によるこういった要請は多いので、投資を検討できる仕様な銘柄であれば、自社株買いに意欲的である事は当然です。 もちろん十分な利益が上がっていなければ、また利益剰余金が積めてなければ、自社株買いを行うこともできないと言うことになります。「利益が出ていないのに、無理して貯金を崩して自社株買いをする会社もあります。これは、無理に大きなケーキを焼こうとして材料費を使い果たしてしまうようなもの。しっかり利益(利益剰余金)がある会社かどうか、IR BANKでチェックしましょう!
こういった指標も「高配当株投資」には欠かせないものです。「配当金は『今日のおやつ』、自社株買いは『ケーキそのものを大きくしてくれる魔法』。 どちらも大切にしてくれる企業を、じっくり探していきたいですね!」
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